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奥多摩のお母さんたちが伝えるハレの日料理

11428010_10152730839017723_3731749653358530694_n都会の喧騒を抜けて辿り着いたのは、東京の一番西にある、奥多摩町。その中心にある奥多摩駅から、さらに20分ほど西へ車を走らせると、湖の麓に小河内という集落があります。江戸時代から昭和初期まで林業が盛んな地域でしたが、過疎化が進み、現在は238人が暮らしています。今回、旧小河内小学校で開催された「waen wedding」のお料理を担当したのは、郷土食を次世代に伝えたいと活動する地元のお母さんたちでした。

horiお母さんたちは、全員「ふれあい農園・三っ釜工房」のメンバー。年齢もバラバラだけど、とっても仲良し。その「ふれあい農園」を運営するのが、いつも笑顔の掘さん。写真は、パーティーに出すお料理の試食会を行った時のもの。この日は掘さんをはじめ、お母さんたちやH.O.Wスタッフ、新郎新婦とみんなで相談しながら、ハレの日の料理を決めていきました。

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前日の仕込み風景。地域の公民館的スペースでは、奥多摩にお嫁に来た時のお話を聞きながら、奥多摩名産のわさびの下準備中。お肉を巻いたピンチョスや、混ぜ込んでおにぎりになるのだそう。

wasabidaわさびは、山の上のほうにある、わさび田から収穫したもの。冬に訪れた時は、山のキレイな水を吸い上げたわさびが、みずみずしくたくさん育っていました。

11425429_10152728618707723_4398026329031702731_n葉っぱの頭からひげ根まで、まるごと余すことなく食べられるということを聞き、そういえば全体像を見たことがなかったので、そのまま花瓶に生けて会場に展示をすることに。

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お料理チームリーダーのお母さんは、小河内出身の旧小河内小学校の卒業生。「閉校式に行って以来、10年ぶりに小学校に入るから、明日楽しみにしてるのよ〜」と、ウキウキしている様子。

11391592_10152728641407723_3238813558720884015_n椎茸の肉詰めに使う椎茸も、奥多摩の森で育てているもの。奥多摩は昼夜の温度差が激しく、急な斜面があるので、しいたけの栽培に向いているそう。この温度差によって、香りの良い、肉厚でぷりっぷりなしいたけが育ちます。

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11427759_10152730136732723_6500656728510473397_nおばあちゃんそして当日。パーティーでゲストから「これって何の食材ですか?」「わさびって、こんな料理にも使えるんだ!」などの質問が飛び交い、たのしそうにおしゃべりをするお母さんたち。「お母さんたちにも現場に立って、ゲストとお話ししてもらいたい」というのも、掘さんのこだわり。他にも、鹿肉のシチュー、やまめのちゃんちゃん焼きなど、森の幸をたっぷりと使ったお料理に、ゲストのみなさんは奥多摩ならではの時間を楽しんでいました。

11403097_900799436654253_851886167830709297_nゲストが使う割箸は、森を手入れする際に出た「杉の間伐材」から作ったもの。割り箸を作る際に余った節、傷、色などの都合で出た端材の板は、お皿にしました。使用後は、焚き火や暖房の燃料になります。

ogouchi小河内ダム建設の計画が持ち上がった旧小河内村。昭和32年にダム竣工とともに、村の集落の大部分がダム湖の底に眠りました。その際に、新たに建設されたのが、この小河内小学校。その後、過疎化や少子化が進み、10年前に閉校したものの、今でも地域の人にとっては大切な思い出の詰まった場所です。

「若い人たちが『おいしいおいしい』って言いながら食べてくれると、なんだかとっても誇らしくなるわね」と、嬉しそうに笑うお母さんたち。

古い建物や郷土食を次の世代へと残してくための一歩は、たくさんの人に知ってもらうこと。お母さんたちの想いは、ハレの日を通して、ゲストへと伝わったのではないでしょうか。

取材・文:原山幸恵(H.O.W)
写真:H.O.W

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