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【Report】奥多摩木工ピクニック

8月1日(土)に開催された『奥多摩木工ピクニック』の様子をお届けします!

11825816_924553620945501_9096077877593359995_n木工房ようび×Happy Outdoor Wedding×VIVA COFFEEによる、奥多摩の材を使ったワークショップを通じて、地域の森のことを学ぶイベント『奥多摩木工ピクニック』。

今回はその第一弾として、カッティングボードを作りました。

森を元気にする、木工房ようびの仕事

10407672_924553697612160_4937666333450459780_n奥多摩の古里にある「木の家」に集合した参加者のみなさんを迎えてくれたのは、「木工房ようび」の大島奈緒子さん。「木工房ようび」は“やがて風景になるものづくり”という理念を掲げ、岡山県の西粟倉村で、山の間伐の際に出る檜を利用した家具づくりなど、地域の森を元気にする活動をしています。

さっそく、彼らが実際に活動する工房の見学ツアーが始まりました。

木の家

鳥取県と兵庫県と岡山県のちょうど県境に位置し、面積のおよそ95%を森林、そのうち84%が人工林が占めている西粟倉と、奥多摩の2拠点に工房を構えることにした「木工房ようび」のみなさん。どうして奥多摩だったのでしょうか?

「家具屋さんって、みんな都内にショールームを構えたりするんですよね。でも、それって今の私たちに合うやり方じゃないなーと思って、どうしようかと考えていた時、この工房と出会いました。かつては、地元の林業家の方が『木の家』を木工芸品を紹介する場として開いていました。そして、ここはその工房として稼働していたそうですが、約10年前に閉鎖して以来、ずっと無人になっていました。扉を開いてみると、機械が当時のまま残っていたんです。機械が無いと何も作れない私たちにとっては、運命の出会いでした(笑)。『この場所を受け継いで、何か西粟倉とは違うことが出来たらいいな』。そう思って、ここを拠点にすることを決めました」

今度はスタッフのみなさんと奥多摩にやって来た大島さん。まずは、みんなで機械の手入れから始めました。長年使われていなかったため、西粟倉で使っている機械たちのように、すんなり動いてはくれない。来る度に、少しづつ調整を重ねているのだとか。

11217986_786053638177569_8478533475937144495_oそんな手入れを丁寧に繰り返しながら、工房を再び開いて、新しい風を吹き込む。そこには、ものづくりに対するこだわりだけではなく、より多くの人に地域の森についてもっと知ってもらう場をつくりたい、という想いがありました。

今回カッティングボードに使用する材は、この工房で眠っていたもの。

「こんなにほこりをかぶって見えますが、木って、寝かせれば寝かせるほど良いんですよ。水分が抜けて、ようやく材として使えるようになる。いわば、きちんと嫁入り支度をしてもらった材なんです」

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ずらりと窓際に並べられた栗や檜、杉、ナラ、オノオレカンバなど。種類が違えば、重さも形も違う。参加者たちは、気に入ったものを選び、そこから作るカッティングボードの形を描いていきます。

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11811286_924554044278792_4461234767883507466_nペンで形をなぞった後は、その線に沿って機械でカットしていく作業へ。線からずれないようにと、みなさん、表情が真剣そのもの!

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11813400_924553707612159_6764006400325614100_nこちらは、ご家族で参加。息子さんもお父さんの横で自分サイズのカッティングボードを制作中。

11825833_924555027612027_5787681438699962841_n「出来上がったら何をのせたい?」と尋ねると、顔も上げずに「りんごが良いな、切ったやつ!」。すっかり集中している様子。

カットした後は、やすりをかけて、全体をなめらかに整えていきます。角を丸くしたり、あえて節を残したり、これもそれぞれお好みで。

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11811342_924555110945352_185683363715659747_n外で、ひと際大きなカッティングボードを作っているのは、H.O.Wのパーティーケータリングでも活躍するSunshine Grownの國崎さん。

「料理の盛り付けに使う大きな板があればいいなって、ずっと思っていたんです。だから、それを作ろうと思って。ここ、景色も良くて、特等席ですよ」

森を感じながら、ものづくりをしてもらう。これも、大島さんがやりたかったこと。

世代も職業も違う20人(と子どもたち)が、慣れない手つきで作業に没頭し、あっという間に2時間が経過。そろそろ、仕上げの準備へ。

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「仕上げの艶出しには、くるみオイルを使います。くるみオイルは、口に入れても問題のない自然塗料なので、 料理に加えることも出来るなど、とっても優秀なんですよ。塗れば通気性を保ち、塗膜も作ってくれる。自宅での手入れの際には、オリーブオイルで代用出来ます」

隅々まで丁寧に素材と向き合いながら、もの作りにこだわる木工房ようびさん。くるみの香ばしい香りに包まれて、だんだんとお腹も空いてきた頃……、

11825069_924555757611954_1571410711205653238_nついに、それぞれの木がもつ美しさが引き立った、表情豊かなカッティングボードたちが完成。そのまま、カッティングボードを持って、裏にある川へと下りて行きます。

奥多摩の川べりで、森の景色とコーヒーをたのしむ

11800058_924556260945237_2198421213149685696_n私たちを待っていたのは、「VIVA COFFEE」のVIVAさん。川の中にステンレスの台を組み立ててしつらえたお手製の「川床コーヒー」で、ひんやり冷えたアイスコーヒーとお菓子でピクニック。作ったカッティングボードに、それぞれ思い思いにお菓子を盛り付けていきます。

11205032_924553767612153_8505414666839687861_n川からの涼しい風を浴びながら、奥多摩の森での時間を過ごしました。

みんながせっせと制作している傍らで、大島さんが呟いていたこと。

「私たちが奥多摩で出来ることって、きっと家具づくりとは違う価値づくりをすることだと思うんです。それは、森を眺めながら木の話をしたり、みんなにものを作る楽しみを感じてもらうことかもしれない。人工林も、各地で色々問題視されてはいるけれど、私は『要らないもの』ではなく、過去の人たちからのプレゼントだと思っていて。でも、プレゼントって、受け取ってもらわないとプレゼントにならないから(笑)、それを次の世代に受け取ってもらえるようにするのが、家具職人としての自分たちの仕事だと思っています」

自然体でもの作りの楽しさを感じながら、地域の森のことについて学んだ一日。暮らしの道具も、利便性やデザインだけではなく、地域の森を元気にするというのが選択肢のひとつとして加われば、もっと地域も森も、豊かになるかもしれない。そんな想いを胸に、木工房ようびさんは活動を続けています。

11800035_924553627612167_1925605885309974795_nピクニックが終わった後、参加者のみなさんから「次回は何を作るんですか?」と、さっそくたくさんの声をいただきました。次に、「木工房ようび」が奥多摩に戻ってくるのは、冬。

その時に、また木工ピクニックを開催する予定です。ぜひお楽しみに!

取材・文:原山幸恵(H.O.W)
写真:H.O.W

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