H.O.W Stories

【群馬・昭和村】畑 de ウェディング

480人集合写真美しい農村の暮らしが続く、群馬県利根郡昭和村

昭和村は、群馬県の北部、新潟との県境に位置します。人口約 7,400 人の静かな村ですが、日本百名山にも選ばれる武尊山や谷川連峰、榛名山に囲まれ、赤城高原が広がる清々しい土地です。そして、河岸段丘と「野菜王国」の名前でも親しまれる農村風景。近年では、「日本で最も美しい村連合」にも加盟し、この美しい暮らしは、後世へと繋がれています。

東京から農園へやってきたお嫁さん

この昭和村で開拓農家の三代目として農家を受け継ぎ、支えているのが星野高章さん。高校・大学で農業を学び、卒業後は昭和村に戻って畑に。村の先輩たちにさまざまなことを学び、何もないところから新しい価値を生み出すという開拓魂に目覚め、「農園星ノ環」という会社を立ち上げました。

さらに、その代表として活躍する傍ら、仲間を募って昭和村の農業後継者チーム「三代目」をスタート。勉強会を開催したりと熱心に活動しています。

そして、そんな高章さんに出会ったのが、東京の企業で働いていた美樹さんでした。仕事の傍ら「ドリームプラン・プレゼンテーション世界大会」のボランティアスタッフをしていた美樹さん。2010 年の大会で、「ニッポン農業の力を見せてやる!」という夢を語る高章さんに出会ったのです。

高章さんに出会うまでは昭和村を訪れたことがなかったそうですが、今では、村が持つ美しい景色の魅力、村の人の魅力、そして、農業の魅力にすっかり魅せられています。そして今、高章さんの夢を一緒に支えていくことをきめてともに歩んでいます。

先々代から受け継いだ畑で結婚式をしよう!

ふたりの門出に向けて結婚式の計画を始めた時、「おじいさんたちが切り開き、耕してきたこの大地で誓いを立てたい」、「東京のみんなにも昭和村の暮らしや農家の暮らしの素敵さを知ってもらいたい」、「家族で楽しんでもらえるものにしたい」、ふたりにはそんな気持ちがありました。

だからこそ、あえてゲストには東京から村に足を運んでもらい、準備は自ら、そして農園星ノ環や村の仲間たちの力を借りて行うことに。自分たちで開催するのは、きっと大変。でも、広い畑で開催すれば、自分たちらしい演出を考えられる、何人でもゲストを呼べる、そんな自由さも魅力でした。

雪の畑写真準備を始めた頃、まだ畑は雪の下。 「ここがセレモニースペースで、あっちにテント…」と想像をふくらませます。

「とにかく大勢で賑やかに美味しいお酒と料理を楽しんで欲しい。ほら、例えば、ドイツのビール祭り『オクトーバーフェスト』みたいに」。ふたりが描いていたのは、そんなハッピーで楽しいイメージ。

シーズンにはとうもろこしなどが育つ畑の農閑期を活用してセレモニーゲートを建て、ゲストみんなが入れる大型のテントを設営。ふたりの支度は畑に隣接する自宅で行い、暖かなビニールハウス内はウェルカムドリンクの配布場所、そしてふたりの思い出の展示に活用することにしました。

みんなでつくる結婚式

準備には、農園星ノ環の仲間をはじめ、地元の仲間が協力してくれました。大きなテントやたくさんのテーブルの上を装飾するために考えたのは、お花紙で作るボンボン、クレープペーパーを使ったガーランドが必要。1週間ほど前から仲間たちが夜な夜な事務所に集まってくれて、あれこれとおしゃべりをしながら準備を進めました。

昭和村装飾制作会場となる畑もそのままの状態では歩きづらい。ならばと、地元の先輩たちが重機で踏んで歩きやすくしてくれました。さらに、山並みを背景にして立てたいと決めたセレモニーゲートの位置にもふたりがみんなの顔を見渡して立てるようにと土を盛り、柱が立てられました。

昭和村整地前日の準備には東京からも仲間が集まってくれて、セレモニーゲートにお花紙で作った花を飾り、テント内にはガーランドを飾り、乳児連れのゲストもゆっくり過ごせるようにと用意した授乳とオムツ替えのための部屋にも子どもたちを喜ばせる飾り付け。名簿づくりや引出物の準備も整いました。

そして最後に、翌日のセレモニーやパーティーの流れを再確認。霧が立ち込め、冷える日。作業が終わると、地元のおかあさんたちが、あたたかなけんちん汁とおにぎりで労ってくださいました。

「あとは、明日が晴れるのを祈るだけだね!」。準備に参加したみんなが、すっかり自分ごととして、最高の一日を楽しみにしていました。

昭和村前日準備食事お祝いに集まったのは、480 人!

そして、4 月 19 日、結婚式開催の当日。新郎新婦と早朝から準備に集まった仲間たちを迎えてくれたのは、山々が美しく見渡せる晴れ渡った空でした。

昭和村ゲート装飾

昭和村テント内準備テント内の装飾は、お友達たちが少しずつ準備を進めてくれたもの。会場を仕上げるために、それぞれが作業に熱中。テーブルにはテーブルクロス、そして装花には畑で穫れた菜の花を。

IMG_0021

IMG_0041新郎新婦の支度は自宅で。メイクも衣装も、得意分野を活かしてお友達が協力。

司会を担当する友人や料理チーム、演奏チームも続々と到着し、いよいよ開催の準備が整いました。 受付の時間を待ちきれずに続々とやって来る村長さんを始めとする村の人々。子どもたちは広い畑の中を走り回り、新郎新婦が子どもたちのために用意したふわふわドームにも興味津々。

東京から来る人たちのために手配したバス4台、休日のドライブを楽しみがてら走らせた友人グループの車も到着し、子どもたちも合わせると、総勢なんと 480 人ものゲストが集まったのです。

新郎新婦入場はトラクターで

畑の上に集まった 480 人のゲストたちがつくる賑やかな花道。そして、その花道に向かって、畑の向こうから走ってくるのは、12 台のトラクター!「三代目」が操縦するさまざまな種類のトラクターにアテンドされて、先頭のトラクターを走らせるのは、まさに新郎新婦!

トラクター12台での入場

トラクターに乗ったふたり一斉に入場する 12 台のトラクターに歓声があがりました。

「先頭のオレンジ色はクボタ〜、青は井関〜、そしてグリーンはドイツ製の〜」とユーモラスな司会者さんの解説を聞きながら、そのかっこよさに子どもたちだけでなく、都会の女性たちからも歓声があがります。そしてその歓声に、ちょっと誇らしげな村の人たち。

農業後継者チーム三代目入場前14039982581_886940eb6c_o入場前に集合した「三代目」と新郎新婦。

昭和村新郎新婦入場シーン のコピー白にグリーンを添えたコーディネイトの足元は、なんとお揃いの長靴!「この白い長靴、いつも畑で履いているのと同じもの。農協で売ってるんですよ〜」と新婦。新婦の長靴にはお友達がレースをあしらってくれました。そして、手もとには新婦がリクエストしたベジタブルブーケ。農家スタイルをとことん楽しむ心意気です。

野菜のブーケ白いお花に混ざってほうれん草やブロッコリー、オクラ、ししとうも!

「農家のハレの日」ならではの顔が見えるごちそうがずらり

480 人での盛大な乾杯は、農園星ノ環が加工用トマトを栽培している関係で野菜ジュースを採用。そして、設営したテントにずらりとならんだお料理は、昭和村をはじめ群馬県内の農家仲間の野菜がたっぷり!「焼きたてのジューシーな豚肉を、うちで採れたシャキシャキレタスに包んで食べてみて!」と、新婦美樹さんの声。

パーティー前橋で養豚を営む友人の協力で美味しい「こめこめ豚」のバーベキュー、昭和村で育った「赤城牛」のローストビーフ、昭和村のこんにゃくを使用したけんちん汁、おにぎりのお米も川場村の「雪ほたか」や古代米を使いました。

農閑期の畑で少しでも畑らしさを味わってもらおうとサラダは畑を見立てた仕上げに。デザートには農家の先輩が用意してくれた壺焼のやきいも、お酒は川場村の造り酒屋のお酒 誉国光や昭和村のワイン、沼田のリンゴジュースなど、「農家のハレの日」ならではのごちそうが並びました。

冒頭の新郎あいさつと招待状でも、この素晴らしい食材とその食材を作っている農家の人たちがちゃんと紹介されていました。

昭和村_食_焼き豚

養豚を営む友人が自らが育てたお肉で BBQ を担当!

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IMG_1359畑を見立てたサラダ(上)と、壺焼のやきいも(下)。

久しぶりに会う友人同士で盛り上がるテーブル、村の人たちにここでの暮らしの魅力や郷土料理についての話を聞く女性たちのテーブル、村の未来を語り合う男性たちのテーブル。そして、大人たちの楽しそうな姿を見ながら、野菜もたくさん食べて、思い切り畑を走り回って遊ぶ子どもたち。

昭和村_食_野菜昭和村_食_肉気持ちの良い青空と音楽。楽しい仲間と美味しいごはんと美味しいお酒で過ぎていく時間。その様子は、まさに、ふたりが描いた「オクトーバーフェスト」さながら!

各テントで提供される村のごちそう。その隣で村のおばあちゃんが「このお漬物、家から持ってきたのだけど、少しどう?」とおすそ分けをくださいました。

東京からの若い人たちが、「こんな結婚式初めて!」と言うと、「そう? 昔はね、みーんな家で生まれて、最期も家。結婚式のお祝いだって、家でみんなでしたものよ。私にとっては、こうやってお祝いでみんなで集まるのは、懐かしいわね」とおばあちゃん。

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IMG_1376昭和村に来れてよかった

丸一日みんなでのんびりと過ごし、名残惜しさもありながら、楽しい会も幕が閉じようとしています。

パーティーの最後に、「村でこんな会を開いてくれて、本当に嬉しい!」とこらえきれなかった涙を流しながら挨拶をしてくださった村の男性。そして、「昭和村にお嫁に行くって聞いて、どんなところかな〜って思ってたけど、いいところだね!来れてよかった!」「遠いところにお嫁に行くのかと思ったら、思ったより近かったから、また来るね!」「収穫のお手伝いとかしてみたいから、また来るよ〜!」と、さまざまな感想を口にしながら東京へのバスへと乗り込んでいったお友達たち。

昭和村_パーティー中の様子ふたりの門出の特別な一日に、これからもふたりが暮らす昭和村で、村の豊かさを存分に感じながら「みんなの思い出」をつくった結婚式。このアイデアがあれば、きっと、日本中のどの村でも、幸せな結婚式が続いていくはずです。

【開催概要】
開催日:2014 年 4 月 19 日 開催場所:群馬県利根郡昭和村「農園星ノ環」
準備期間:約半年間
開催費用:参加者の会費 + 新郎新婦の予算
開催協力:昭和村のみなさん、農園星ノ環のみなさん、Happy Outdoor Wedding
取材・文:Happy Outdoor Wedding 柿原優紀
写真:安彦幸枝

このウエディングでは、企画相談、設営補助、当日の運営サポートをH.O.Wが担当しました。

全日本ブライダル協会さんが東京ビッグサイトで開催された「ふるさとウエディングコンクール」にて、グランプリである総務大臣賞を頂きました。

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